大雪山国立公園内の切り立った柱状節理の渓谷の奥深く。その間を流れる忠別川に、寄り添うような形の温泉街が天人峡温泉である。かつては数軒の旅館やホテルが営業していたが、現在は1軒を残し全てが廃業している。
平成23年(2011)廃業の天人峡グランドホテル。廃墟界隈には「グランドホテル」の名を冠した廃ホテルが数多く存在する。もはや廃墟になることを見越して名付けているのかもしれない。ちなみに隣接する天人閣も巨大な廃ホテルである。
「羆、当荘にて飼育せるもの」とある。ここで飼育していたということだろうか。羆に触れ合う機会が全く無い九州民の私は驚きを隠せない。それにしても生後21ヶ月とは何とも短命な気がする。
美しい顔立ちをしている。北海道の廃墟で破壊されていない剥製が残っていることは、非常に稀である。
天人峡グランドホテルは既に解体されることが決定している。名前も知らない羆との最初で最後の出会い。僅かな滞在時間でも愛着が湧く。何処かへ移されて保管されることを願うばかりだ。
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