琥珀色の廃医院


記憶に新しい九州北部豪雨など、過去に幾多の水害に見舞われた地域に残る廃医院。診療科目には、聞き慣れない「全科」の文字。何でも診てくれる地域密着型の医院だったのだろうか。
建物はかなり古く、いつ倒壊してもおかしくない。よくぞ水害を耐え抜いたものだ。ド根性廃医院と言っても過言では無い。
流入してきた木片や泥が堆積している。復興の手が及ばない廃墟には、水害の爪痕が生々しく残っている。
古き良き日本の台所といった感じだ。ここにも泥が堆積している。
物置になった部屋の隅に診察台のようなものが見える。元は診察室で間違いなさそうだ。
受付の裏側にあたる薬局。薬品の種類はかなり豊富だったが、道路に面しているため深入りは出来ない。
束ねられた大量のカルテは、地域住民に信頼されていた証でもある。
レトロな電傘がある手術室。昭和の風情がしっかりと残っている。
年季の入った医療器具が置かれている。
処方された薬を入れる薬袋(やくたい)。廃医院では必ず探す残留物で、廃医院の正式名称や大体の診療時期などの情報が読み取れる。
手術室の壁にはくっきりと線が付いている。これもまた水害の爪痕だ。大人の腰ほどの高さまで水位が上がったことになる。
厳しい暑さで夏バテ気味の日々。満身創痍で踏ん張る廃医院から、少しだけ元気を貰えたような気がした。
​廃墟評価
美しさ   ★★★★★
危険度   ★★★☆☆
珍しさ   ★★★★☆
到達難易度 ★★★★☆
総合評価  ★★★★☆