久万小学校槙谷分校


藤岡弘の出生地である、自然豊かな久万高原町。秘境と呼ぶに相応しい山奥の小さな集落には、立派な木造校舎が残っている。
今回の探検タイトルは「幻の廃校は実在した!槙谷分校の謎を追え!!」である。
草木に覆われた運動場を進むと、ズボンがくっつき虫だらけになった。「大丈夫か!キャメラマン!」と声がする。
閉校から約30年が経過している。廃校としての歴史はまだ浅い。現在は個人所有のようだが、人の気配は全くなく、管理されている様子も無かった。
手洗い場は傾いている。
辺りには民家が数軒あるものの、殆どが空き家のようだ。
この町の主な産業は林業。安価な外国産木材に押され、次第に林業は衰退していき、人工は減少の一途を辿る。閉校は逃れられない運命だった。
目立った雨漏りは無いものの、床がかなり傷んでいる。「廃校を侮るな!死ぬぞ!」とまた声が聞こえてくる。
肌を突き刺すような寒さの冬の早朝。ストーブで暖まりたい。
ロシアがソビエトと呼ばれていた時代の地図がある。
廃校としてはまだまだ綺麗過ぎる。これからが楽しみだ。
校舎の向かいに建つ久万公會堂。こちらも趣があって美しい。「ありがとう…ありがとう」と合掌し、素晴らしい廃墟たちに別れを告げる。