以前から存在は知っていて、ついつい後回しにしていた廃医院。目的地が近づいてきた。遠目で見ると、やたらとすっきりしている…
これは一体…思考停止した後、解体中であることを悟る。
ここは大丈夫だろうと、完全に高を括っていた。
動揺を抑えつつ、とりあえず中を見てみる。古い医院であることを示すプレートは、かろうじて残っていた。
受付周りも寂しくなってしまった。悔しくて悲しくて、解体業者の綾鷹を飲み干してやろうかと思った。
殆どの残留物は運び出され、中はもぬけの殻だ。
手術室も殆ど何も残っていない。
少し怪しげなフォントが割と好みだ。
実は夏に四国を一度訪れていた。ここまで後悔したのは初めてだった。
残り数日で、この廃医院は姿を消してしまう。更地になる前に、間に合って良かったじゃないかと自分に言い聞かせる。最初で最後の出会いは悲しいものだ。
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