桂ヶ谷貯水池堰堤


堰堤(えんてい)とは、河川の水を堰き止め、土砂災害を防ぐ目的で造られた構造物のことである。ダムと混同されることがあるが、堰堤とダムには明確な定義が定められている。国内の定義によると、ダムは貯水や河川の水量調節を目的として造られた高さ15m以上の構造物のことを指す。
大正12年(1923)竣工の桂ヶ谷貯水池堰堤は、厳密にはダムに分類される構造物である。堰堤とダムの分類が正式に決まったのは、昭和39年(1964)に新河川法が制定されてからになる。それ以前に完成したダムは、現在も堰堤と呼ぶことがあるというわけだ。
上水道用に築かれた、標準的な重力式コンクリートダムだった。煉瓦積みの取水塔と高欄が実に美しい。
平成28年(2016)に登録有形文化財に登録。歩道が整備され、自由に見学することができる。しかし、それ故の悩みは綺麗になりすぎたことだ。放置され雑草だらけだった頃に一度訪れたかったものだ。