西海橋水族舘


長らく陸の孤島であった西彼杵半島。その振興と開発を目的に架けられた西海橋は、当時固定アーチ橋としては世界で3番目の長さを誇り、東洋一のアーチ橋と評された。西海橋から、針尾瀬戸の急流が作り出す渦潮を眼下に望むと、小さな廃墟が見える。併設されていた遊園地と共に、賑わいを見せていた西海橋水族舘である。
さながらジャングルのようになった水族館周辺。釣り人がのんびりと糸を垂らしている。
テレビ番組で取り上げられたこともあり、かなり有名な廃墟である。長崎県で初めてイルカショーを開催した水族館としても知られている。
消えかけの「西海橋水族舘」の文字。かつての繁栄は忘れ去られようとしている。
エントランス横の小さな水槽。何が泳いでいたのか気になる。
当時はカラフルなガラスがはめ込まれていたのだろう。ことごとく割られ無惨な姿を晒している。
勝手に短命なイメージを持っていた魚。意外と長生きで驚く。
これも水槽なのだろうか。それにしても小さすぎる気がする。
真鯛の説明文が落ちている。さすがにこの細長い水槽で泳いでいたとは考えにくいが…。
2階建ての小さな水族館は、あっという間に見て回れる。飽き性の小さな子供でも楽しめただろう。
奥にあるメインの巨大水槽。真鯛はきっとここにいたはず。
壊れた壁から陽が差し込み、あたかも明かりが点いているかのような水槽があった。時折揺れる影は、まるで魚が泳いでいるようで、美しさの余りしばらく眺めていた。
2階へとやって来た。見事に全ての水槽のガラスが割られている。何としても割ってやるという強い執念を感じる。
バイオハザードでありがちな、何かが飛び出した後のような水槽。大抵はその後襲われることになる。
何か居そうで何も居ない。自分の足音だけが響く。
水族館を後にし、もうひとつの名物へ向かう。
海の上に建つ水族館。波の浸食で足場はかなり脆くなっている。
当時営業していた遊園地と、水族館を結んでいたスロープカー。色褪せた水族館とは対照的にとてもカラフルだ。
レールは草木に覆われている。この先は現役のコラソンホテルがある。
ゆっくりと打ち付ける波の音。まるで崩壊までのカウントダウンのようで、しみじみとした気持ちになった。
廃墟評価
美しさ   ★★★☆☆
残留物   ★★☆☆☆
危険度   ★★★☆☆
珍しさ   ★★★★★
難易度   ★★☆☆☆
総合評価  ★★★☆☆