笑ゥ廃医院


とある海沿いの町をバイクで走っていると、気になる小さな廃医院を見つけた。
どうやら歯科の廃医院のようだ。胸が高まる。
受付を済ませ、待合室で深呼吸。事前情報が無い廃墟はかなり緊張するのだ。
窓の外は国道が走っている。常に車や人が行き来し、ここまで騒々しい廃墟は中々無い。
広い治療室。掃除をすれば使用できそうなくらい保存状態が良い。
何か漏れている…
薄暗い技工室。ごちゃごちゃしていて好きだ。
喪黒福造のような、不気味な笑みを浮かべる歯列模型たち。ドーン!と飛び込んだ廃医院は、心のスキマを埋めてくれる場所だった。